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CASE STUDY

パブファンセルフ出版体験談

トップ > パブファンセルフ出版体験談 > 大手出版社では出せなかった、究極の専門書をアマゾンで個人出版

CASE STUDY 専門書

出版社からは出せないような、
究極の犬マニア向けの本ができました。

自らの専門知識を注ぎ込んだ本を出版した 藤田 りか子さん、尾形 聡子さん(犬曰く)

左:著者 尾形 聡子さん、右:デザイナー 藤吉 匡さん

左:著者 尾形 聡子さん、右:デザイナー 藤吉 匡さん

※記事中では、インタビュー当時のサービス名(ネクパブ・オーサーズプレス)で表記しております。

本を出版したきっかけ

大手出版社の反応は「マニアック過ぎて出版できない」

普段は犬専門のライターとして活動し、スウェーデン在住の藤田さんと二人で「犬曰く」というブログサイトを運営しています。犬曰くを始めたのは、2017年8月からです。それ以前も別のサイトで二人とも記事を書いていたんですが、そこがクローズしてしまったので自分たちで始めました。その期間を含めると、もう10年くらい一緒に活動しています。

犬について深く研究していくほど、読者にその細かな背景や歴史などを伝えたくなってしまうのですが、ブログという形では読んでもらえる長さに限界があります。そこで、ガッツリと掘り下げた内容で書けるよう、紙の本という形を選びました。やっぱり紙の本が好きな人っていますし、本とWEBでは文も写真も読まれ方が違うので。

私も藤田さんも、特にレトリーバーが好きなんです。でも、一般的な犬の図鑑だと、ちょっとずつしか紹介されないですよね。多くても見開きで、写真と説明が少しあるだけという感じ。

藤田さんはとにかく犬種に詳しくて、商業出版でも『最新 世界の犬種大図鑑』という世界的に見てもすばらしい図鑑を出版されているんですが、それでもひとつの犬種を紹介できるスペースは限られている。藤田さんほどの深い犬種の知識を活かしきれないのはもったいない、という思いが私の中にあったんです。あれじゃ足りない、もっと書いてほしい!って。

私たちは商業出版の経験があるのですが、犬の本を数多く出しているような大手出版社でさえ、私たちが作りたいと思うようなマニアックな本は売れない、ってなかなか興味を示してくれないんです。これ以上国内の出版社に期待しても仕方がないので、これまでにない犬の本を個人出版しようということになりました。

藤田 りか子 さん

※1

NextPublishing Authors Pressを選んだ理由

やっぱりAmazonで売りたい!

ネクパブを選んだいちばん大きな理由は、Amazonで無料出版できることですね。本好きの人が最も気軽に集まるAmazonでの販売は、大きな宣伝効果を生むと考えたんです。

それ以前に他社サービスでオンデマンド出版したこともありました。でもそこはAmazonで販売することができなかったので、当時の自分たちのサイトで売りました。でも、やっぱり限界があって、なかなか本を発見してもらなかったんです。それで今度こそはAmazonだと思い、ネットでひたすら情報収集しました。他社も比較検討したのですが、サイトの情報がわかりやすかったネクパブに決めました。

出版までにかかった期間は、話が出てからは1年くらい。きちんと取り掛かってからは半年くらいでしょうか。まずは藤田さんがざっくりとした内容の案を作ってくれて、それを元に相談して決め込んでいきました。犬種ムックの第一弾は好きなカテゴリーで作ろうということで、レトリーバーの本になりました。

尾形 聡子さん

実際に本を作ってみて

大変だけど、制限の中で工夫する面白さがある

本の内容を作ること自体は、それまでの活動の延長線上だったのでこれといった苦労はなかったのですが……実際に本を出す段階では、一般的な出版とAmazon POD(プリントオンデマンド)の出版とでは勝手が違って大変でしたね(苦笑)。

例えば、Amazon PODの仕様に合わずにエラーとなった箇所の関連部分を全部チェックし直したり、表2と表3(※表紙、裏表紙の裏面)には印刷できないことに途中で気付いて、掲載内容をカットせざるを得なくなったとか。あと表4に必ずバーコードが入るという仕様を見逃していて、そこには広告を出してもらっていたので、広告主さんにデータを作りなおしてもらったりと苦労しました。

POD出版は、情緒ではなく印刷・製本機の仕様に合わせて制作・修正することが多くなります。デザイナーという立場からすると、コントロールできない部分が少なからずあるので、正直なところ、本をまるごと1冊デザインしたという感はありません。一般的な本作りだと、モノとしての魅力、付加価値をつける方向でデザインすることが多いんですが、それとはまた違う世界ですね。黎明期のPODならではの制限の中で工夫するという面白さを感じます。昔でいうファミコンみたいな感じですよね。

現時点ではモノとしての表現に限界があるだけに、コンテンツ自体に魅力があってこそだろうなってこともわかりました。なので今回の本のように、記事も写真もしっかりしているものには向いている出版方法だと思います。情報を紙媒体にして届けられるありがたいシステムですし、本の形で出来上がってくると、充実感や感慨もありますね。あと、自分の本がAmazonに並んでいるのは、やっぱり嬉しいものです。

藤吉 匡さん

本作りでこだわった点

これまで日本にない、大人の、濃い1冊を作る

日本に限らずアジア圏の犬の雑誌には、なぜか「ワンちゃん」という子供っぽい雰囲気がつきまといます。それに対して、ごく普通に、大人の洗練されたシンプルな雰囲気を出したかった。写真もきれいに見せたかった。

ペットとしての愛玩犬か、人と寄り添って仕事をしてきた牧羊犬かというような歴史的な背景とも関係するのでしょうが、日本のマジョリティは犬に対して加飾していくんですね。洋服を着せるなどもそのひとつですが、そのようなことを全部取り除いたらこうなりました、という本です。例えば使う文字の大きさは4つだけ、色も1色と決めて、機能でデザインしています。このあたりはデザイナーの藤吉と尾形ふたりで膝を突き合わせて検討し、要所要所で藤田さんにも見てもらう感じで進めました。

スウェーデン在住の藤田さんとはメールのみでのやりとりでしたが、不都合は全くなかったです。参考文献もヨーロッパなどの歴史書や学術書だったりするせいか、本の雰囲気については意見がわかれることもなく、共通の見解がありました。これまで日本に存在しない、中身が濃くて長く読める、究極のマニア向けの犬種ムックを出版することができたと思います。

Retrievers and all about them(レトリーバーのすべて)

出版後の状況・反響

ローリスクで、トライ&エラーできるのは精神衛生上いい

Amazonだからこそ発見して買ってださる読者がいますね。犬曰くでも宣伝はしているのですが、読者の半分以上は犬曰くを経由せずに買ってくださっているようなので、さすがにAmazonの力は大きいなと。

好きなペース、内容、分量で制作を進めることができるのはPOD出版のメリットですね。最近、スモールビジネスって言葉をよく耳にするじゃないですか。それにちょっと近くて、主体的に問いかけをだせるというか、責任を持って社会と接点を持てるみたいな。そういうことがローリスクでできるのはとても今っぽいなと思いますし、そこもPOD出版の素晴らしいところだと思います。

活動は常に前に進ませたい。自力で作りさえすれば身の丈にあった予算で出版できて、走り続けながら、トライ&エラーを繰り返しながら次につなげていけるのは精神衛生上とてもありがたいです。それができないと、成長も鈍化してしまいますから。

足りないのはやはり宣伝でしょうか。ブログ以外だとFacebookやインスタグラムで少し宣伝しましたが、売る方まであまり気が回っていなかったというか……がんばります。

今後の活動予定

藤田さんにしかない、深い犬種の知識を出版し続けたい

次号の構想はできていて、ちょこちょこと書きはじめています。内容は牧羊犬。かなりのフライング告知になってしまいますが、他に作れる人はいないので大丈夫でしょう(笑)。こんどは最近リリースされた売上金の自動分配機能も活用したいと思います。

ひとつの犬種に詳しい人はいるんです。でも藤田さんがすごいのは、ほぼすべての犬種の知識を網羅している。あんなにすごい人は100年この先出ないかもしれないので、彼女の知識を本にして出版していきたい。そうすることで、読者の方々にはそれを日本語で読める幸せを感じてほしいんです。

これからも、違う犬種、種類などで続けて作っていきたいです。例えば「日本犬」とか、大きめなくくりもいいと思います。日本の飼い犬の8割は小型犬ですが、商業出版でたくさん出ているのであえてそちらを扱う理由はないですね。小型犬を扱うなら、小型「愛玩犬」じゃなくて小型「猟犬種」でやろう、なんて話してます(笑)。

左:デザイナー 藤吉 匡さん、右:著者 尾形 聡子さん

プロフィール

藤田 りか子 さん
スウェーデン在住。動物ライター、ドッグセミナー講師。スウェーデン農業科学大学野生動物管理学部卒業。生物学修士(M.Sc)。趣味はドッグスポーツで競うこと。愛犬はレトリーバー。犬のブログサイト「犬曰く」運営者。主な著書に「最新世界の犬種大図鑑」(誠文堂新光社)。
※海外在住のため、今回のインタビューは残念ながら欠席。※1の写真が藤田さんです。

尾形 聡子 さん
東京下町在住。ドッグライター。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了。愛犬はスパニッシュ・ウォーター・ドッグ。趣味は料理とお酒と音楽。犬のブログサイト「犬曰く」運営者。代表著書に「よくわかる犬の遺伝学」(誠文堂新光社)。

藤吉 匡 さん
東京在住。アートディレクター、デザイナー。東京芸術大学卒業。SHIFTBRAIN Inc.所属。たまに愛犬ラブラドール・レトリーバーの散歩係。趣味はお菓子の味見とオカリナ。尾形さんとは親戚関係にあり、今回の本のデザイン全般を担当。

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パブファンセルフユーザーさんによる出版体験談、いかがでしたでしょうか? ご参考になれば幸いです。パブファンセルフは、会員登録やサービス利用料はもちろん、基本的に出版費用は無料です。読者からの注文のたびにアマゾンで1冊ずつ印刷・製本・発送されるPOD出版(プリント・オン・デマンド)なので、在庫も初期費用も必要ありません。
また、アマゾンで本を出版することの宣伝効果は絶大です。多くの人が一度は利用したことがあるアマゾンなら安心感もありますので、本を手に取りやすい利用者も多いことでしょう。

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みなさまにご利用いただけることを心よりお待ちしています!

ほかにも多種多様な方が出版しています

デザイナー 医師 栄養士 塾講師  パーソナルトレーナー うつ病経験者 
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