ネクパブ・オーサーズプレスは、
【パブファンセルフ】にサービス名が変わりました。

無料の会員登録はこちら

CASE STUDY
パブファンセルフ出版体験談

トップ > パブファンセルフ出版体験談 > 超アナログ人間だった私が、パンのレシピをアマゾンで個人出版

CASE STUDY 料理本

超アナログ人間だったはずの私が、

初めて買ったパソコンでパンのレシピを
個人出版。

サワー種のパンの魅力を発信すべく本づくりに挑戦。
ネクパブPODアワード2021のグランプリ受賞者、黒木 美乃里(ゆめねこ)さん

著者 黒木 美乃里(ゆめねこ)さん

※記事中では、インタビュー当時のサービス名(ネクパブ・オーサーズプレス)で表記しております。

本を出版したきっかけ

世の中にもっと伝わってほしい情報を、私が発信したい

ライ麦と水だけで作る自家製酵母サワー種。「粉と水だけ」という最もシンプルで魅力的なパン種です。基本的な材料はサワー種と粉と水と塩。たったそれだけの材料でパンが膨らみ、素晴らしい香りと旨みをまとったパンが焼けます。その味わい深さに、私はすっかり魅了されました。

今でこそ健康志向や、天然酵母パンが広く知られるようになって受け入れられたライ麦パンですが、当時は近場で売っておらず、身近なものとはいえないように感じました。それなら自分で作ることができないかと考えました。

しかし、サワー種を専門にした情報はとても少なく、探り探りでパンを焼く日々でした。そのうちに、この素晴らしいパン作りがもっともっと広がればいいのにと思うようになりました。

その頃、「サワー種は難しい」という記事をいくつか目にしました。そんなことないのに……実はとても簡単なのに。こんなにも美味しくて、コストパフォーマンスもいい。「興味はあるけど、何となく難しそう」と思っている人のために、自分で情報を発信したいと考えるようになりましたが、なんとなくそのままでした。

そんな中、体調不良の末に脳出血になりました。私が「何かしなければいけない」と思ったのは、その入院のときでした。やりたいことを後回しにするのはやめようと思ったのです。

退院後も不安定な体調と付き合いつつ、仕事をしながらサワー種のパンを焼き続けました。パンの写真を撮り溜めるようになり、本とブログをイメージしてノートにメモを書き留め始めました。Instagramでの発信を始めました。寝る前には本の出版方法をiPadで検索していました。体調がよくなると共に、サワー種の本を出版したい、という夢を加速させました。

発信方法に出版を選んだのは、自分のペースで作ることができると思ったからです。仕事の空き時間にこつこつと進めていけばゴールがくるのではと。ブログも考えていましたが、まめな更新が大切らしく、仕事や家庭との両立を考えるとキャパオーバーになりそうで、出版ひとつにしぼりました。

ネクパブ・オーサーズプレスを選んだ理由

Amazonで販売できるのが魅力。あと安心感

本を出版するにはどうすればいいんだろう、とネットで検索するうちにネクパブのことを知りました。でも実は、ネクパブに出会う前から本は作り始めていました。

とにかくまずは1冊の本という形にしてみたいと思って、初めて自分用のノートパソコン(MacBook)を買ったんです。そしてなんの計画もないまま、Mac付属のPagesというワープロアプリに収録されているテンプレートを使って書き始めていました。ある程度の形になったら、それを持って地元の出版社や製本所を回ろうと思ってたんです。無謀ですよね(笑)。

自費出版の情報にもたどり着きましたが、何百冊と在庫を抱えるなどのリスクもあるということで、そういうのじゃないなと。その後、いろいろあって最終的にネクパブを使って出版することにするのですが、決め手はAmazonで販売できるという圧倒的な魅力でした。実際、Amazonで販売できたことで、タイトルで検索すると最上位に表示されるので驚きました。あとは在庫を持たなくて良いこと。この本のような、ちょっとした本をリスクなく販売させてもらえるというのは大きいです。

似たサービスを提供している他社とも比較しましたが、ホームページに安心感があったことや、評判も調べた上で決めました。

実際に本を作ってみて

いきあたりばったり。何度も何度も書き直した

人生で初めての「本作り」は苦難の連続。その一番は、初めて買ったパソコンやPagesの基本操作すらわからないことです。

ひとつ前の編集状態に戻すことができない、「ぁ」など小さい文字の打ち方がわからない、ページが追加できない、レイアウトがずれて別ページまで影響が出る、各ページが何かの拍子にシャッフル状態になってしまう……きりがないほどでした。

ひとつひとつ調べ、少しずつ前進しているから大丈夫、と自分に言い聞かせ作業を進めました。検索してもわからなかったことは、図書館に行ったり、参考書を買ったりして調べました。

先ほどお話ししたように、まずは本の形にしてみたかったので、Pagesで本文の文章がほぼ完成したところで、他社サービスに1冊だけ製本を依頼することにしました(注:現在はネクパブでも「何冊でも製本」という同様のサービスを提供しています)。

製本依頼に必要な「原稿データのPDF化」について調べていると、Pagesでの入稿トラブルの情報が多く目に入りました。とにかく良いことが書かれていなくて、むしろ推奨しないというような記事もあり、ショック大でした。でも、きっとできるだろうと信じて進みました。結果的には、私は問題なくPDF化できたのですが、これから使われる方は意識しておいたほうが良いかもしれません。

そしていざ入稿! と意気込んだものの、データサイズの上限を超えていたようでエラーになりました。ここに来て初めて「作っているデータには大きさがある」ということを知ったのです。

せっかく作ったけれど、何とかしてサイズを減らさなければなりません。内容を削ったりしてみましたが、ほとんど減らずにため息が出ました。その後、一度PDF化したデータをサイズダウンできることが分かり、900MBあったサイズを240MBまで減らすことができました。なんとか入稿完了です。

その後、自宅に届いた現物を見てまず思ったことは、「でっかい!A4サイズってこんなに大きいんだ」。本の形になったことは嬉しかったのですが、字や写真もなぜか不自然に広がってしまっていたりして、全体的にイメージしてたものと違ったんです。

そこで今度は判型をA4より小さめのB5に変更、上品なイメージを目指して文字も全体的に小さめに改修し、初めてネクパブで入稿することにしました。しかし、入稿できなかったのです。理由は判型のサイズエラー。B5で印刷したいならば、B5サイズ用に作ったデータを入稿しなければいけなかったのです。

そんなこと、最初の製本サービスでは気にする必要がなかったのになぜ……? 異なる判型のデータが発注サイズに自動で引き伸ばされていたため、縦横の比率が変わって不自然な形に仕上がっていたんですね。

ここで私は「自分が作ったデータが、どの判型で作られたのかを知らない」ということを知ることになりました。私の頭の中では、B5~A4サイズをイメージして作っていたのですが、実際に私が使っていたのはPagesで用意されている文庫本サイズのテンプレートだったのです。文庫本サイズの中に、たくさんの写真や小さい字を詰め込んでいたことになります。また100ページ以上、B5サイズに書き直すことになりました。そして再び入稿です。

できあがってきた見本書籍を見てみると、今度はあまりに文字が小さい……。パソコン上ではちょうど良いサイズに見えても、現物で見ると見え方がだいぶ違うことが分かりました。見逃していた誤字脱字や、ページ内のレイアウトのバランスの悪さにも気付きます。こりゃだめだと、また100ページ以上書き直し。今度こそ終わりました! いざ入稿!


上が最初に作ったA4サイズ、下が2回目のB5サイズ。しかし今度は文字が小さくなりすぎてしまった。

ここでまさかのことが起きました。またもサイズエラー。なんとB5には、日本の規格の「JIS B5」と国際的な標準規格の「ISO B5」の2種類があったんですね。私は「ISO B5」で作ってしまっていたので、また全ページ書き直すことになりました。いきあたりばったりですか? 本当にそうですよね(笑)。苦しかった反面、もう何度も書き直しているので、まぁいいや、というような気持ちでもありました。

ところで実は、ネクパブで入稿する前に、とある商業出版社に企画応募しています。というのも、ネクパブで入稿するには、本文のPDFとは別に、表紙周りのPDFを用意しなければいけないことが分かっていました。私にはそれを作る自信が全くなくて、出版社だったら表紙まで作る必要がなさそうだな、という甘い考えでした。結局そちらは不採用となり、その晩に、あとはネクパブでやるしかない! と決意しました。

さて、問題の表紙作りです。Adobe IllustratorやInDesign、Microsoft PowerPointを推奨する記事が多かったですが、一度きりになるかもしれない出版のために、安くはないコストで導入するのは腰が引けました。そんな中、無料で表紙画像を作ることができそうな「Canva」というデザインツールを知り、無事に進めることが出来ました。

ずっと「私には表紙はできそうもないよ……」と言っていたので、完成したときは嬉しかったです。たまたまできた感もあるので、また同じことをやって下さいと言われてもできないかもしれません。

これで本当に入稿が完了しました。楽しくも苦しくもあった本作りから、解放されたような気持ちでした。疲れが吹き飛びました。


「何度も苦しい場面があってくじけそうになった。ジャスミンティーやコーヒーを飲んで何とか心を落ち着かせていた。苦しいけど楽しい不思議な感覚だった」とのこと。写真はその再現です(笑)

本づくりでこだわった点

たくさんの写真で、パン作りの細かい工程を見せる

のんびりと、気楽に、おまけに家計に優しく本格パンが作れるというのも自家製酵母サワー種の良さなんです。そこで、各家庭の生活サイクルに合わせたパン作りができるような内容になるように心がけました。また、パン作りの細かい工程を見せるのは大切だと思ったので、写真はたくさん使いました。

あと、作り方の解説にあたって、キャラクターをたてました。「私自身が教える」というスタイルが自分には合っていないような気がして、キャラクターがいることで私を助けてくれるというか、フレンドリーな口調で優しい空気感が作れるのではないかと考えました。これは「ibisPaint」というスマホアプリを使って指で描きました。


ノートパソコン、iPhone、iPadを活用。隙間時間を見つけては、家の中のいろんな場所で作業を進めた。

出版後の状況・反響

私にも得意分野があったんだ。自分の活動に自信が

周囲から、「すごい!」「そんなことしてたなんて知らなかった!」「どうやって作ったの?」「行動力あるね!」……今まで言われたことのないような嬉しい言葉をたくさんいただきました。サワー種について発信しているInstagramでは、本を買ってくれた方が写真付きで報告をくださることもあり、驚いています。あと、ネクパブPODアワード2021でのグランプリを授賞したことで、職場で「先生」と呼ばれるようになりました(笑)。

ネクパブのことを自分で調べる人も出てきています。「死ぬまでには本を出してみたい」と遠い夢のように語っていた人が、私が個人出版を実現したことで「自分でも作ってみようかな」って言っていたんです。私の本がきっかけでそんなことを思ってくれたのが嬉しくて、心臓がぎゅっとなりました。

なにより、自分の活動に対して自信が持てるようになりました。それまでは、どこか自分に自信が持てずにいたんです。会社勤めで、家に帰ったらパンを焼いている人。パン作りが好きではあるけど、それ以上でもそれ以下でもない人。でも、活動を一冊の本にしたことで、自分にも得意分野があったんだと再確認できたのだと思います。

2冊目のパンの本も出しました。本当は1冊目にまとめて入れたかった内容なのですが、ページ数が増えて価格が高くなってしまいそうだったので、分冊にしたものです。

ただ、2冊目はちょっと油断しました。1冊目は何回も作り直したので自ずと丁寧な作りになったのですが、1冊目で慣れたつもりになって急いでしまい、見本書籍で読み返すと雑に感じたところが少なからず見つかったので修正しました。

もう少し焦らずに時間をおいて、客観的に内容を見なければいけないなと反省です。ここは個人出版の危うさで、慎重にやらないと間違いが起こりますので、やはり誰かに客観的に見てもらうことは大切だなと思いました。

今後の活動予定、出版をしたい人に向けて

出版前と出版直後、現物チェックは大切です

できればもう1冊パンの本を作ってみたいと思って、写真は撮りためてはいます。早く出したい気持ちはあるのですが、2冊目で焦って作ってしまった反省点もあるので、時間がかかってもいいので、納得の行く、良いものをつくりたいです。

自分で作った原稿の間違いやマイナス面は、なかなか自分で気付くことができないことを知りました。パソコンの画面上ではなおさらです。これからネクパブでの個人出版を考えている人には、このつまづきポイントを知っておいてほしいと思います。

ネクパブでは、Amazonで販売開始する前に見本書籍を作ることができるので、これは活用したほうがいいです。ただ、ユーザーガイドにも書いてあるように、見本書籍とAmazonで販売される本とでは紙の質感や印刷の色味などが少し違うので、用途としては誤字脱字や全体の雰囲気をつかむためだけのものと言えます。なので、Amazonで販売開始された直後に自分で買って、現物をチェックすることも大切だと思います。それでも私がそうだったように、チェックしている間に読者の方が買ってくださっていることもあるのですが……。

一度出版してしまうと、販売停止はできるものの、Amazonの商品紹介ページやカスタマーレビューは残り続けます。勢いも大事ですが、焦らず慎重にも進めたほうがいいと思います。

初めての本作りでは、本当にたくさんのことを学びました。書店に並ぶ素敵なデザインの本を見て、自分の作る「手作り感いっぱい」の本が何だか恥ずかしく感じたこともありました。でも、何度も何度も作り直しているうちに、もう引き返せないというか、自分の作っている本に愛着が湧き始めました。今となっては苦しかったことも含めて、良い思い出になった気がしています。大切な本になりました。

好きなことや、得意分野がある方、何か発信したい気持ちがある方。そういった方にはネクパブだと思います。私は本作りを通して、発信することの楽しさを感じることができました。自家製酵母パン作りと同じくらい、個人での本作りには魅力がありました。超アナログ人間だった自分が、少しだけデジタルに移行できたような気がします。

2021年5月19日 オンラインにて取材

プロフィール

黒木 美乃里(くろき みのり)さん
愛知県在住。“味わい深いパンは家で焼きたいと思う”をテーマに日々パンを焼いている。20代後半、脳出血を2度経験。入院中、少しでも治ったら「やりたいことはやれるうちにやろう」と心に決める。介護福祉士。考えごとをしながらのんびりと歩くのが好き。Instagramにて、自家製酵母サワー種の写真や情報を発信中(@yumeneco_pan)。写真は、数年継ぎ続けているサワー種と。

黒木さんが出版した本(2021年6月現在)

無料の個人出版を体験してみてください!

パブファンセルフユーザーさんによる出版体験談、いかがでしたでしょうか? ご参考になれば幸いです。パブファンセルフは、会員登録やサービス利用料はもちろん、基本的に出版費用は無料です。読者からの注文のたびにアマゾンで1冊ずつ印刷・製本・発送されるPOD出版(プリント・オン・デマンド)なので、在庫も初期費用も必要ありません。
また、アマゾンで本を出版することの宣伝効果は絶大です。多くの人が一度は利用したことがあるアマゾンなら安心感もありますので、本を手に取りやすい利用者も多いことでしょう。

ぜひ、下の登録フォームよりパブファンセルフを体験してみてください。
みなさまにご利用いただけることを心よりお待ちしています!

ほかにも多種多様な方が出版しています

デザイナー 医師 栄養士 塾講師  パーソナルトレーナー うつ病経験者 
震災経験者 経営者 人事コンサルタント プログラマー 双子のママ FP 陸上自衛官  折紙作家 ジャズピアニスト